<答>
 人間、必ず左右同じということはありません。右利き左利きと同じように、多くの人は噛みやすい側の顎を持っています。例えば、自分は右側の方がどちらかといえば噛みやすいといった場合、きちん左右とも歯があって、機能しているならば、あまり神経質になる必要はないと思われます。しかし、一方の歯がないために、または一方の顎に痛い歯があるために、もう一方の顎ばかりを使っているとなると状況は別です。一方の顎ばかりを使っていると、顎を吊り下げている左右の筋肉がアンバランスになり、段々と顎がずれ、元に戻らなくなります。下顎の付け根には下顎頭という突起があり、そこに関節円板という軟骨があって、上顎(側頭骨)下顎を自由に動かすことができるのですが、その下顎頭の位置も狂ってしまい、顎が痛い、顎が開きにくいなどの症状が現れてきます。さらに顎がずれると頭が傾き、頭は5〜6kgもの重い部分ですから、バランスをとろうと背骨が曲がってしまう場合があります。こうなると、肩こり、腰痛、ひいては背骨のところから出ている自律神経に影響が出て、内臓疾患例えば胃や腸や心臓など、色々な全身の病気を引き起こすことさえあります。
 ひとつ付け加えておくと、小さなお子さんが片側ばかりで噛むのですがという質問もよくあります。小さなお子さんの場合、まだ歯が生えそろっていない場合が多いので、歯が多くある側で食べていることが多いため、それほど心配はありませんが、片側に虫歯がある、または口内炎がなどがあって痛いなどの場合がありますので、とりあえず原因があるかないかをかかりつけの歯科医院で診てもらうと良いでしょう。
 もしも子どもが片方の顎ばかりで噛んでいるとどうなるでしょうか。歯を正常に噛み合わせることで顎は大きくなります。従って、片方の顎ばかりで噛んでいると、ますます顎の成長はアンバランスになってしまいます。良く噛むことによって脳に多くの血液が流れ、脳の活性化が図られるとともに、噛み合わせの刺激は脳に対する刺激ともなります。片噛みは脳の発達や活性化にも大いに影響を与えるのです。